第20回日本中性子捕捉療法学会学術大会において、7月27日(土)に同学会とランチョンセミナーを共催しました。
本ランチョンセミナーは、同学会の大会長でもある大阪医科薬科大学 関西BNCT共同医療センター センター長の二瓶 圭二先生を座長にお迎えし、大阪医科薬科大学 名誉教授の河田 了先生より「頭頸部癌におけるBNCTの限界と可能性」という演題でご講演いただきました。
ご講演の中で河田先生は、大阪医科薬科大学病院で耳鼻咽喉科の医師として携わられた24年間の頭頸部癌の癌腫別の臨床成績を示されたほか、現時点のBNCTの限界と今後の可能性についてのご自身の見解として、『これまで頭頸部癌と向き合って培ってきた「どんな治療でも最低5年の観察期間データが必要である」という理論を前提にすると、現在のBNCTは「科学的根拠に基づいた治療効果の推定に従った治療」への転換点にあると言えるため、BNCT治療医は照射時の癌の状態を見極める能力と照射後長期にわたって引き続きフォローアップしていく覚悟が必要、再発癌に対する真の適応を考察するとともに、初回治療適応に向けての準備をしていく必要がある』との趣旨で前向きなメッセージを発信いただきました。
本学会は、中性子捕捉療法に関する医学・物理学・生物学・化学・薬学・工学など多岐にわたる分野の発表がなされている学会で、本ランチョンセミナーも各分野の先生方約200名にご聴講いただきました。ご参加いただいた先生方そして関係者の皆様ありがとうございました。