2025年6月13日(金)、第49回日本頭頸部癌学会総会・学術講演会において、同学会およびステラファーマ株式会社、住友重機械工業株式会社の共催によりランチョンセミナーを開催いたしました。
本セミナーでは、旭川医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座の髙原 幹先生を司会にお迎えし、大阪医科薬科大学 関西BNCT共同医療センターの粟飯原 輝人先生に「頭頸部癌に対するBNCT―市販後調査4年後の中間報告―」と題したご講演をいただきました。
粟飯原先生より、BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)の基礎知識から抗腫瘍効果、治療成績の途中解析、適応症例と治療前の処置、フォローアップにおける注意点まで幅広く解説いただきました。
特に、承認後5年間における市販後調査の途中解析データとして、2020年6月から2023年5月に実施された162例に関する報告では、臨床現場からみたBNCTの安全性及び有効性に触れられており、今後の課題を示す貴重な情報となりました。
自施設での知見をもとに、治療後の晩期有害事象や治療部位における組織の変化に伴う感染リスクへの予防対応の重要性、他治療への移行判断についても詳細にご説明いただきました。
加えて、BNCTを「最後の選択肢」ではなく、選ばれる治療として確立していくための展望も語られ、今後の発展に期待を寄せておられました。
講演後は多くの参加者による活発な質疑応答と意見交換が行われ、BNCTに対する関心の高さを改めて実感する時間となりました。
ご参加いただいた皆様、ならびに本セミナー開催にご尽力いただいた関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。